世の中にあるさまざまな測定器には完全に正確かというとそうではなく誤差はつきものです。そのような誤差は標準器によって校正される必要があります。さらにその標準器にも誤差があるため、またさらに標準器が正確な状態で校正する必要があります。このように遡っていくと、最終的に最も正確である国家標準器に行き着きます。それまでの過程が確認できる状態を、測定器がトレーサブル状態であると呼びます。このトレーサビリティ状態であれば、測定器にどの程度の不確かさがあるかはっきりします。jcss校正はトレーサビリティを確保するために、製品の品質を定めている機構などの組織によって定められた制度です。jcssの標章がついている校正証明書が発行された標準器は、国家計量標準に則ってトレーサブルであることが証明されます。

jcssに認定されるために必要なこととは?

jcssに認定されるためには、測定用の器具の正確性だけでなく、正しく使用することができる高い技術が必要です。どんなに正しい測定器具であっても、温度が原因で膨張・収縮を繰り返すので温度管理も徹底する必要があるのです。jcss認定をされている機関は、高い測定技術を持っていると国によって証明されているということなのです。つまり、jcss校正に認定されることは正確な校正が可能であることの証明のみならず、正確な校正が可能な設備を持っていること、さらに正確な校正を行うことができる人材がいることが証明されているということになり、信用を得ることができるというメリットがあるのです。計量器具を使用するユーザーも、jcssに認定された機関が校正をした器具であれば、正確性があるという面では、信用できるとメリットにあげられます。

jcss校正の校正証明書の活用方法について

jcss校正には長さや質量や時間など、24の区分があります。認可を受けた登録事業者だけがjcss校正を受けることができ、登録事業者は第三者にでも問題なく通用する校正証明書を発行することでトレーサビリティを保証します。また、すでにjcss校正済みの標準器がある場合は、それを使用して自ら校正を行なって、トレーサビリティ状態を確保することも可能です。計量機器のトレーサビリティは、道路運送車両法、高圧ガス取締法などで要求されており、食品や医薬品などの製造業務の場面でても義務付けられていることがあるため、そのような場面でも活用することができます。また、地方自治体が管理している計量検定所が実施する計量検定は、jcss校正とは別であり、片方で合格しても他方で合格したことにはならないため注意が必要です。jcss校正は、多方面より信頼を得るためにとても重要な指針となるのです。